この記事シリーズはタイで生産管理システム、販売管理システム、在庫管理システム、原価管理システムなどのいわゆる基幹業務システムを構築する際に留意すべきことを筆者の経験を踏まえてお話していきます。

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第17回:生産管理におけるタブレットの可能性(1)

昨今、IoT (Internet of things) なる言葉がビジネスマン向けのセミナーなどで盛んに喧伝されているようです。恥ずかしながら、筆者がこの言葉を知ったのはつい最近で、この言葉の意味するところを深くは語れませんが、本日は弊社のお客様でのIoT的な取り組みをご紹介致します。

生産現場におけるIoT

IoT(Internet of things, アイオーティー)はパソコン以外の様々な機器・物質がインターネットにつながることによって生活、種々の管理、監視などが格段に進歩する状態のことらしいです。
弊社のお客様では、タブレット端末から製造指示番号のバーコードスキャンによる生産進捗登録により、リアルタイムの生産進捗管理を実現しました。これがIoTと言えるかどうかは別として、システム導入前とは進捗管理面で格段の進歩を遂げたことは事実です。
このお客様では、60台のタブレットを一括で購入され、30台は充電用に待機させ、30台を常に生産現場の主要ポイントに配置させ、現場のワーカーさんに直接作業開始と作業終了の登録をさせています。
筆者は深夜の時間帯にもシステムメンテナンスでお客様先のサーバーにリモートログインすることがありますが、24時間体制で稼動しているこのお客様先のサーバーに真夜中でもひっきりなしにタブレット端末からWiFi経由で進捗登録のアクセスがあるのを見た時は、驚くと同時にタブレット端末システムの開発者としての感慨もありました。

このお客様がなぜタブレット端末システム導入に踏み切ったのかをお話します。

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ハンディーターミナルとの違い

バーコード、QRコードが利用できる小型端末としてはハンディーターミナルあるいはハンディーヘルドターミナルがありました。機器としてのスペックをハンディーターミナルとタブレットで比べるとどちらにも優劣がありますが、タブレットがハンディーターミナルよりも優れている点を筆者の独断で言わせて頂きますと
・圧倒的にタブレットの方が価格が安い(ハンディーターミナルの1/4 ~1/3)
・例え壊れても近所の携帯電話ショップですぐ入手できる、すぐにセットアップできる
・タブレットの方が画面が大きい
点ではないかと思います。

弊社のお客様のように何十台もの端末を購入するお客様ですと、1台当たりの単価が全体のご予算に大きく響きます。Androidのタブレットにバーコードスキャナーをつけてもタイでは1台あたり1万バーツ前後(3万円前後)で入手できるのは大きな魅力といえるでしょう。何十台も購入した場合は、全体の予算が200万円なのか1000万円なのかと大きな違いが出てくるのです。

ハンディーターミナルは市中の一般的な量販店で簡単に入手できるものではなく、専門の代理店を介して調達するのが普通です。したがって、入手までにも時間がかかります。調達リードタイムが長いため、壊れたときのために、何台かの予備機を用意しておくのが一般的ですが、タブレットなら近所の量販店ですぐに入手できます。
弊社の開発したタブレット製造実績登録機能、タブレット入庫登録機能(ロットトレーサビリティ対応)、タブレット出庫登録機能(ロットトレーサビリティ対応)は、Android、iPad、Windowsの全機種に対応していますので、一般的な量販店で簡単に入手可能です。

また画面サイズも、タブレットは現場の状況に合わせてスマートフォンサイズから大型タブレットまで選択肢が広がります。画面のサイズは、確認できる情報量、入力できる情報量にも関係してきます。

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タブレット導入時に気をつけること

良いことづくめのタブレットのように聞こえたかもしれませんが、タブレット端末システムを実際に工場の現場に導入する際にはいくつか気をつけなければならないポイントがあります。
これも筆者の独断になってしまいますが、思いつくままに注意点を列挙します。

・タブレット端末からは余計な機能を削除する
タブレットにはインターネットブラウザやLINEやFacebookのようなコミュニケーションアプリケーション、各種ゲームなど業務の弊害となりうる様々な機能があります。これらの機能は削除または使用不可能な状態にしておくこと。

・タブレット端末は外部サイトにはつなげない
外部のインターネットにはアクセスできない、業務目的でしか使用できないように特定のサイト、サーバにしかアクセスできないようにLAN、WiFiの構築をすること。

・WiFiキャッチポイント
大きな工場ですとWiFiの電波が届かないエリアが発生しえます。WiFi構築後には工場内のあらゆる場所からWiFiのシグナル強度をチェックし、電波の弱いエリアはWiFi構築業者さんにお願いしWiFiルーターの設置場所などを変えてもらうこと。

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タブレット端末のアプリケーションで気をつけること

さて、今度はタブレット端末システム導入の成否を分ける、タブレット端末に進捗登録などをするアプリケーションで注意すべき点を、開発者の視点からお話します。

1.文字が大きいこと
タブレット端末を使う人は、明るいオフィスで大画面のパソコンに向かっている人ではなく、深夜に薄暗い場所からタブレット端末を開く人たちです。したがって、できる限り必要にして十分な情報のみを大きな文字で表示させることが操作性の向上に必須となります。

2.入力が簡単なこと
また、タブレット端末を使う人は、コンピューターリテラシーが決して高くはない人であることを想定し、入力は極めて簡単、1回の登録で最大5項目程度の入力項目に抑えること。バーコードを使うのは入力を極力簡素化するためです。

3.判断に必要なアラームをわかりやすく表示すること
生産数量を間違えて登録する、品目を間違えて登録してしまうということが往々にして起こりえます。前工程との生産数量から考えて、この工程でこれだけの生産数量になることはあきらかにおかしいというようなロジックをアプリケーションに盛り込み、担当者の入力間違いを可能な限り低減させる工夫をしました。

タブレット端末に関する話題は次回にも続きます。

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