この記事シリーズはタイで生産管理システム、販売管理システム、在庫管理システム、原価管理システムなどのいわゆる基幹業務システムを構築する際に留意すべきことを筆者の経験を踏まえてお話していきます。

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第22回:紙に手書きの作業日報記録を今すぐ止めるべき3つの理由

生産管理システムを導入していいない工場は恐らくほぼ100%、生産管理システムを導入済の会社でもかなりの比率で生産実績の入力元データは、紙で書かれた作業日報であることが多いようです。

作業日報の運用方法で最も多いのは
・主要な設備(機械)の近くに記入台があり
・一日に一枚罫線入りの日報用紙が配られ
・そこで作業をした人が、1つの作業を終えるごとに
品番
生産数量
不良数量
などを記入
・一日の終わりか、翌日の朝その作業日報を回収し
・事務所のスタッフがPC(EXCELまたは生産管理システム)に入力

作業日報という呼び名のように、集計と入力は1日に1回というのが基本のようです。

工場の業務改善という観点からは、手書きの日報による運用はできるだけ早くデジタル化に移行すべきと思っております。

理由その1:データのタイムラグ

これが最大の理由です。
工場内では分・秒単位に様々な問題が発生しているかと思います。
状況によっては、あるオーダーは優先順位を変えて、緊急対応しなければならないこともあるかと思います。
しかし、日報ベースですと最新の情報は昨日の終業時点です。
今、どこまで進捗してどこの工程で滞留しているとか作業中だとかと言った情報はつかめません。

また進捗情報は、
生産計画
出荷業務
在庫の把握
不足している部品・材料の発注
など、生産管理業務の全てに影響を与えます。
したがって、データが古いと工場の生産管理業務そのものが古いデータに基づく判断となってしまい、判断ミスを犯しやすいと思われます。

理由その2:記入ミスに気付きにくい

人がやることですから、ミスは必ず発生します。
作業担当者が記入ミス、記入漏れすることは頻繁に起こりうるのではないかと思います。

理由その3:転記ミス

作業担当者が記入ミスをしなくても、事務所のデータ登録担当者が入力する際の転記ミスというのも怒り得ます。
また、手書き記入者とデータ登録者が分かれてしまうことで、誰もミスに気付かないまま放置されてしまうということもあるかと思います。

解決策:現場の作業担当者に直接実績登録をしてもらう

現場の作業担当者に直接実績登録をしてもらう方法にもいろいろな方法があろうかと思います。

単純な例から申しますと

・現場にパソコンを置いてしまう
工場内を何分割かして、エリアごとに1台のパソコンを設置し、このパソコンはLANかWIFIで会社組織内のネットワークにつなげます。
作業担当者は、1つの作業が完了する度に、最寄りのパソコンから作業実績データを登録してもらいます。

・現場にタブレットを置く
しかし、工場によってはパソコン設置はほぼ不可能な場合もあるかと思います。
そこで、タブレットなら設置できないか検討してみます。
タブレットであればパソコンほどスペースはとりません。

・設備から直接データを取得する
近年IoTブームで既に設備・機械から直接機械の稼働情報を取得されている会社も多数いらっしゃのではないかと思います。
やり方は、PLCを介する、パトライトなど機械からの何らかの信号を読み取ってデジタル情報に変えるしくみなどいくつかの方法があります。
ただし、機械から情報は取得できても、オーダー番号や品番との紐づけは、何らかの方法で人が入力するしくみを設けないといけません。

以上、多少の初期費用が発生しても、紙の作業日報をデジタル化することは工場の生産管理業務改善には計り知れない効果があるというお話でした。

しかし、作業日報ではなく品質管理用の記録となると、データ登録が複雑で簡単にはデジタル化できないことがあります。本件については、次回にお話し致します。

 

 

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